連載 ピア・カウンセリング実践講座・1—健康教育の新たな構築をめざして【新連載】
ピア・カウンセリングとは
高村 寿子
1
1自治医科大学看護短期大学
pp.815-822
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902801
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いまなぜピア・カウンセリングなのか
従来行われてきた伝統的な健康教育は,一方的な知識偏重型によるアプローチが主流であった。しかし,その人が長年培ってきた日常生活習慣を変えることは,単に知識を与えるだけでは達成できないこともさまざまな実践活動や研究結果からも明確になってきた。健康教育の目的である主体的な行動変容をめぐって,著者もその1人であるが健康教育に関心のある者は,より効果的な方法を見いだそうと試行錯誤している。
そのような背景の中,思春期の人々に対する健康教育・性教育のあり方を実践・教授研究していく過程で,ピア・カウンセリングの存在を知った。親でもない,教師でもない,青少年にとって最も身近な信頼できる存在であり,同世代に生きる価値観を共有する“仲間”というキーパーソンが行う性教育である。この方法は「ピア・カウンセリング」,訳して「仲間カウンセリング」といい,思春期の人々の主体的な行動変容を促すために,非常に有効な方法である。
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