特別記事
学生の「看護師になりたい」を支える教育課程―授業改革からカリキュラム開発へ
水方 智子
1
,
大谷 弘恵
1
,
山之内 由美
1
,
木村 緑
1
,
坂本 鈴子
1
1パナソニック健康保険組合立 松下看護専門学校
pp.560-567
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201280
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はじめに
ナイチンゲールは、「看護とは、患者が生きるように援助することであり、《訓練》とは、患者が生きるように援助することを看護婦に教えることにほかならない。看護はひとつの芸術であり、それは実際的かつ科学的な、系統だった訓練を必要とする芸術である」と述べている1)。このナイチンゲール看護論を基盤として、「すべての人が健康への最善の機会を与えられるように」、知的な関心・心のこもった人間的な関心・技術的な関心という三重の関心を重ねて注ぎ続けることができる看護師の育成を、松下看護専門学校(以下、当校)では開学以来教育目的として掲げている。
当校では2012年から、同組織にある松下記念病院(以下、記念病院)と連携し、学生に「看護師ってカッコいい!」「看護って人を幸せにする!!」「私もそんな看護師になりたい!!!」と思ってもらうにはどうすればよいのかを考えながら、授業改革を進めてきた2,3)。結果、当校における休退学者はほとんどいなくなり、記念病院における新人離職率も激減し、2018年度には10年ぶりに0%となった。
改革当初から授業時間数や実習進度などの課題が浮き彫りとなり、教育課程を変更する必要を感じていたが、すべてを構築するまでには長い時間を要し、2019年度からようやく新課程に基づく教育を開始することができた。本稿では、当校で進めた授業改革およびカリキュラム開発の取り組みを紹介する。まだまだ課題の多い教育課程であると考えており、よりよい看護教育の実現に向け、忌憚のないご意見をいただきたい。
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