特集 あらためて協同学習を理解する
県内すべての看護専門学校で進める協同学習の導入
知念 榮子
1
1学校法人湘央学園浦添看護学校
pp.539-547
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201276
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はじめに
協同学習は、これまで幾度となく耳にし、また、看護関係雑誌で目にし、特に、アクティブラーニングに関する文献には必ず出てくる言葉だった。
アクティブラーニングについては、2012年に中央教育審議会報告で取り上げられ、「知識の伝達・注入を中心とした授業から学生が主体的に問題を発見し、解をみいだしていく能動的学修」1)として推奨されている。看護基礎教育の現場でも主体的に学ぶ学生を育てたいという思いから、さまざまなかたちでアクティブラーニングができる教育方法がとられてきた。当校では看護学の各領域において、適宜グループワークを実施し、学生が主体的に思考する時間をプログラムしている。今思うに、そのグループワークもどちらかといえば、単にグループで学習課題を仕上げるという、表面的なものになっていたのではないかと危惧しているところである。
このたび「協同学習は単なるグループ学習と根本的に異なる」2)という、安永悟氏が述べていることの意味を体験的に理解したいとの思いから、沖縄県看護教育協議会では2年(2017〜2018年)にわたり、協同学習について学んだ。そのなかで、協同学習が単なる教育技法にとどまるものでないこと、そしてそのめざすものの奥深さに触発され、その学びを継続していく必要があることを痛感したところである。
さて、今回筆者に与えられたテーマは、設置主体の異なる県内5つの看護専門校で協同学習の導入から実践、結果に至るまでと今後の課題についてまとめ、紹介することにある。
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