特集 あらためて協同学習を理解する
「協同学習を用いた看護教育研究会」の意義とその発展に向かうための課題
緒方 巧
1
1梅花女子大学看護保健学部看護学科
pp.524-530
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201274
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2018年11月、筆者の勤務校である梅花女子大学で日本協同教育学会第15回大会を開催させていただきました。その折に、「協同学習に取り組み始めた看護教員たちは、技法を使う≒協同学習を取り入れているという考え方になっていないだろうか、つまり協同学習を用いた授業実践(教育活動)において協同の精神なき技法に陥っていないだろうか。いちばん大切な核となる協同の精神は育めているのだろうか」との問いが示されました。この背景には、アクティブラーニングの普及により協同学習を実践する看護教員が急増したことがあげられます。本特集は、まさに協同学習の考え方に基づいて授業実践をしている、あるいはこれから取り組もうとしている看護教員に対する上記のような問いかけであり、協同学習の実践者が心得ておかねばならない「協同とは」「協同の精神とは」「協同の体現化とは」について、あらためて確認し合う機会であると思います。
本特集における筆者の役割は、2014年9月から大阪で開催してきた「協同学習を用いた看護教育研究会」の企画・運営者として研究会の現状をお示しすること、そして筆者を含め協同学習を実践する教員たちがこれからも啓発し合って成長し続け、さらなる熱意と自信をもって、学生のために学生とともに協同学習に取り組んでいくためにどう向き合えばいいのかを提案することです。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.