連載 看護教育に協同学習法を取り入れる・1【新連載】
教育方法のパラダイム転換としての協同学習
緒方 巧
1
1梅花女子大学看護学部
pp.320-326
発行日 2013年4月25日
Published Date 2013/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102370
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
教育方法の進化と深化に必要な要素と「協同学習」の提案
この20年あまりの間に看護大学は増え続け,210校を超えましたが,新設はまだまだ続いています。看護教育コースには看護大学をはじめ看護大学校,短期大学(2年課程と3年課程),養成所(2年課程と3年課程),高等学校専攻科(2年課程),5年一貫教育,通信制(2年課程)があり,合わせると1000校を超えています。そこで学んでいる1人ひとりの学生には,さまざまな看護への思いがあり,将来への目標に素晴らしい可能性が詰まっていることでしょう。この大切な学生たちと向き合い日々教育実践に励んでいる教員仲間に想いを寄せるとき,あらためて自分もその1人として責任と感謝の思いを自覚させられます。晴れ渡った空から日本列島津々浦々の教室を見渡すことができれば,今日も教材を抱え印刷資料をワゴンに乗せ,張り切って授業に向かう教員たちの姿が一望できることでしょう。
さて,自分が担当した科目をどのように授業展開するのか,学生の学習意欲,主体的な学習行動,看護職への志向をどのように引き出し高めていけるか,確かな知識・技術の習得を図るための授業の構造化,教育方法については教員の誰もが日々心労を尽くしていると思います。世の中の著しい変化は,入学してくる学生を年々変容させていきます。特に毎年,1年生クラスに見られる前代未聞のエピソードには楽しみがつきませんが,手がかかり気をかけた学生たちが学年を経るごとにたくましく成長していく姿にふれるとき,「学び続ける人が放つ輝き」に感動し「教育のもつ力」を再認識します。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.