特集 学生とつくる授業 学生がつくる授業
精神保健における,学生とともにつくる授業─協同学習の取り組みの現状と課題
鈴木 啓子
1
,
平上 久美子
1
,
鬼頭 和子
1
,
新里 美智子
1
1名桜大学人間健康学部看護学科
pp.723-729
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200824
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はじめに
筆者らは,専門基礎科目である精神保健の授業において学生が主体的に参画できるような仕組みづくりを検討してきた。2012(平成24)年度から学生同士,あるいは学生と教員との双方向的やりとりで進める協同学習を導入し,現在に至っている。授業において重視しているのは,現代社会における精神保健の問題を「他人事」ではなく身近な私の友人や家族,私自身にかかわること(「自分事」)として実感でき,現象の本質を批判的に探究することである。とはいえ,「言うは易く」で,実際には毎年授業を実施しては学生とともに教員も悩みつつ,正解のないなかで試行錯誤を繰り返しているのが現状である。
しかしながら一方で,学生の発想や取り組みの成果,仲間と協力してのクラスにおける授業の展開からは「これこそが参画型の授業だ」と学生から声が上がるようになり,教員も手応えを感じている。本稿ではこれまでの経緯について述べ,読者の皆様と検討ができたらと思う。
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