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書評 ─『看護教育実践シリーズ4 アクティブラーニングの活用』─学生だけでなく,教員も主体的に授業に取り組むための書
阿形 奈津子
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1京都中央保健看護大学校看護学科
pp.1007
発行日 2018年11月25日
Published Date 2018/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201127
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看護教育実践シリーズの編集者である中井俊樹先生とは,本書のシリーズ『2 授業設計と教育評価』『3 授業方法の基礎』の発刊と「看護の教育をよくするために」をテーマとした座談会の席で初めてお会いしました。中井先生は愛媛大学で教育・学生支援機構の教授であり教育の専門家であります。看護教育には専門学校や大学の講師として長年かかわられ,看護教員が教育に多くの悩みがあることを知られたとお聞きしました。そこで今回,看護教育を担当される方のためにシリーズで出版されたわけです。先生はとても物腰が柔らかく,看護教育を教育学の視点から優しく,ていねいに語っておられたことが印象的に残っています。本書もそのようなていねいで,細やかな書籍です。
さて,この書籍のなかには数多くの手法があり,多くの先生方の実践や工夫があり,特にコラムには事例などをとおしてわかりやすく書かれています。授業展開にこれらの手法を活用することで,学生が学習活動にコミット(関与)する授業となると考えます。ただし,この本は手法をそのまま活用するようなhow─to本ではありません。多くの手法を教員独自で,学習集団のレディネスや教授内容を吟味し精選して活用していくものです。学生にアクティブラーニングを求めるのなら,教員も主体的に授業を構築し,自らがつくり上げる授業を展開しなくてはなりません。
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