Scramble Zone
講義形式の授業をやめてみよう─日本教育工学会 大学教員のためのFD研修会に参加して
太田 浩子
1
1東京工科大学医療保健学部看護学科
pp.734-738
発行日 2018年8月25日
Published Date 2018/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201065
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研修参加の動機
臨床経験が乏しい学生に看護の対象者を容易にイメージできる教育教材をつくれないか検討していたときに「インストラクショナルデザインの原理」に関する本と出会った。看護教育のなかでもインストラクショナルデザイン(以下,ID)という言葉を聞く機会が多くなっているが,購入当初,初めて聞く言葉で曖昧な理解であった。今回参加した日本教育工学会のFD研修会は,そのID理論を活用しながら,担当している授業科目の設計を点検し,改善していくことが大きなねらいとなっていた。IDのさまざまな理論をもう一度学習できる機会となることの期待と担当しているヘルスアセスメントの講義・演習を効果的にするためのヒントを得たいと考え,参加するに至った。
FD研修会の主催は日本教育工学会であったが参加者は,工学系,看護をはじめとする医療系,デザインや文学系,コンサルティング関係など多岐にわたっていた。5時間の短い研修ではあったが,セッションを進める過程でID理論にもとづいてデザインされていることを体感した。また,現代の学生に対して効果的な授業とするために,講義形式の授業から脱却すること,そのためには学習目標の具体化と評価という一連のデザインが必要であることを確認することができた。この研修を機に“講義形式の授業をやめてみる”ことへの不安や恐怖を断ち切り,模索しながらではあるが講義形式をやめた授業を始めている。
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