特集 教育の質を高める学習方法 いまから始める協同学習
教育の質向上としての参加型授業のFD研修を実施してみて
寺田 由紀子
1
1板橋中央看護専門学校
pp.668-671
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102462
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参加型授業を実感し,研修に取り入れる
教育改革の壁になっているものは何か
授業というと,教員がパワーポイントのスライドを見せてひたすら話すだけ,というイメージを思い浮かべる人は多いだろう。しかし,ヘンダーソンが中国の言葉を引用して,「耳にしたことは忘れ,見たことは思い出し,したことは身につく」1)と述べているように,教員の一方的な説明だけで,学生が主体的に知識や技術を獲得できなければ,それが定着しないことがわかる。また,齊藤は「初学者は教わった通りに吸収していくのが早いので,むしろ問題なのは,受け皿になる現場世代が行動主義で刷り込まれてきていますから,その頭の中を変えてゆかないという問題があると思います」2)と,教員に苦言を呈している。
新しい教育法を取り入れるために,壁となっているのは何だろうか。教員経験が長ければ長いほど,自分のスタイルを変化させるのは容易ではなくなる。ヘンダーソンも「たぶんわれわれは,今ある看護教育のパターンを改めるには強力なリーダーシップが必要であるということ,およびそれは簡単にはなしとげられないということ,を認めなければならないのだろう」1)と述べている。そこを乗り越えて新しい教育法を取り入れるには,「ちょっとやってみようかな」という気楽な気持ちになることではないかと思う。
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