編集デスク・28
日本医学会総会に参加して
長谷川 泉
1
1医学書院編集
pp.33
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904390
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
4年ごとに開かれる,日本医学会総会が大阪で開催されたのに参加して,近代都市の中ににじむ庶民的な巷の雰囲気を味わうことになった。都市にはそれぞれに格調があり,都市にしみ込んだ歴史のあかのようなものがある。大きなビルが立ちならび,川が見えなくなるほどの防潮堤が川の両岸を切りたてても,巷の雰囲気の中にしみ込んだ巷の香は蔽うべくもない。
次の総会々頭が勝沼精蔵博士に決まったから,4年後には名古屋が総会場になっても,その印象はぬぐえないであろう。名古屋は戦災後の街づくりが徹底的に行なわれ,勇断をもっての都市計画が大胆に推進されたから,見ちがえるようなよい街になった。しかしなお,しみついた歴史というものは外観のいかんにかかわらず,なかなかぬぐい去り得ないであろう。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.