増大号特集 実習指導 虎の巻
第4部 実習指導の理解をさらに深める
『看護教育のためのパフォーマンス評価 ルーブリック作成からカリキュラム設計へ』に込めた実習指導の極意
糸賀 暢子
1
1あじさい看護福祉専門学校
pp.694-701
発行日 2018年8月25日
Published Date 2018/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201056
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昨年の夏,『看護教育のためのパフォーマンス評価 ルーブリック作成からカリキュラム設計へ』(医学書院)を発行した。この書籍は,パフォーマンス評価の単なるマニュアルではない。10年以上,看護教育実践で本当に大切なことは何かを問い続けながら試行錯誤していくなかで,パフォーマンス評価,ルーブリック,「逆向き設計」に出会い,その活用を紹介した書籍である。本稿では,本特集号のテーマである,臨地実習の指導について,パフォーマンス評価の視点から,その背景となる考えについて,象徴するような禅の言葉も照応させながら紹介する。
あじさい看護福祉専門学校(以下,本校)の教育は学習者中心ではない。教育において学習者は学習経験の主体ではあることは否定しない。しかし,看護教育(とくに臨地実習)においては,「専門職としての第一義的な責任は,看護を必要とする人々に対して存在する」1)べきであるのだから,学生も指導にあたる教師も,患者に対する第一義的な責任を担っていると考えている。そのため,教師も学生も患者中心に看護を実践し,看護を学ぶことをめざした実習計画と評価2)をしている。
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