特集 さまざまなアプローチによるリフレクション
学習ノートをリフレクションツールとした授業の実際
江川 美由紀
1
,
後藤 多美子
1
1華頂看護専門学校
pp.216-219
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102646
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はじめに
今日の教育現場ではFD(ファカルティ・ディベロップメント)の一環としての学生による授業評価などで,教員の授業改善・改革が促されている。FDの最終的な目的は,教員と学生の双方向的な学修への質的転換であるものの,多くは学生側の問題対処に終始する。しかし,それでは学生の学習意欲や授業への興味関心の低下という問題は決して解決し得ない。なぜなら相関する教師側の問題を常にはらんでいるからである。
学生の授業評価シートに提示された内容を改善すれば,学生は学業に意欲をもち始めるのかというと必ずしもそうではない。学生の学習意欲向上は,学生の視点からだけではなく,教師側の授業改善・改革を行うことから始めなければならない。ここに教員のリフレクションの意味がある。リフレクションは,教育学者ドナルド・ショーンが,教師としての専門家像を「反省的実践家」としたのに始まるのだから。
本校では,学生へのリメディアル教育の過程と結果を,教師自身のリフレクションに反映している。そのなかで今回は,リフレクションツールとしての教員の授業案および学生の学習ノートの活用について報告する。
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