第3回日本看護医療学会学術集会 シンポジウム
実践と教育の連携をめざして
各々の看護観の確立のために—学生の立場から
渡辺 昌子
1
1東京慈恵会医科大学附属病院
pp.78
発行日 2001年12月25日
Published Date 2001/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200179
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学生の立場から看護教育に求めることは、各々がしっかりとした看護観を確立できるような教育を、という一言になるだろうか。ひととしてひとにかかわるとは、看護するとはどういうことかを、学生一人一人が考え、病の中にあるそのひととともにいようとする姿勢を培うことができる教育を求めたい。そのために、実践と教育にどのような連携が望まれるのかを考えたい。
医学部看護学科として設立された母校で、私が受けた教育は、まさに医学的知識に重点がおかれたものであった。成人看護、老人看護……とくくられた枠の中で、多くの科目ではまず医師による講義があり、疾患の特性や治療の方向性が示され、その後、それに添った形で看護の方法やポイントについて学ぶという形が取られていた。一方で様々な看護理論を学ぶことになるが、その両者が結びつかず、矛盾を感じざるを得なかった。また、その後の臨地実習では、患者を身体・精神・社会的側面に分析してとらえるということを繰り返すあまり、患者をひとという全体的な存在としてとらえることが難しくなってきたのもまた、事実だった。
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