増大号第2特集 看護学生・教員エッセイ─入選エッセイの発表
学生部門
最後の援助─この手に残る感覚
大野 史華
1
1公立西知多看護専門学校
pp.632-633
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200560
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連日厳しい暑さが続くなか,私が対面したのは,大腿骨転子部骨折の手術を施行された山田さん(仮称・女性・90代)だった。
術後1日目,受け持ちの挨拶をさせていただくと,私の挨拶に,「よろしくお願いします」とまだこのときは返事をしていた。娘さんが術後すぐから付き添われ,「お母さん,よくがんばったね」「お母さん,痛いとこない」と繰り返し声掛けされており,心配されている様子をうかがい知ることができた。山田さんはほとんど目をつむってみえたが,娘さんに声掛けされるたびに,目を開け返事を返していた。
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