Editorial
最後の「テガミ」
藤沼 康樹
1
1日本生協連医療部会家庭医療学開発センター
pp.249
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101656
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元自治医科大学教授の五十嵐正紘先生が,亡くなられる直前に語られた内容が『月刊地域医学』2008年11月号に掲載されている.
「あらためて,ジェネラルを師に学ぶ」と題されたこのインタビュー記事を読み進んでいくうちに,ここには家庭医療に関する本質のすべてがあるという印象をもった.「…特定の個人,特定の家族,特定の地域にそこにいるかぎり長く,ずーっと付き合って…」ということにジェネラルな医師の本質があるのだという.たとえば「この杜王町に住んでいる広瀬さん,そしてその兄弟とその両親に,10年以上長く関わる」というようなことである.ここで,五十嵐先生が注意深く,疾患とか患者という言葉を排除しているところに注目したい.
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