連載 保健婦はおもしろい
心に残ること
植野 和子
1
1兵庫県洲本保健所
pp.245
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900668
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あとわずかで定年退職を迎えることになりましたが,がむしゃらというか,人から見ればしぶとく見えたかもしれませんが,とにかく夢中で過ごしました。この30数年間の中で,大切な人々との出会いが沢山あり,自分が育てられたと思っています。いろいろつまづいたり,まわりに助けられたりのうち,婦長,課長職についてからの心に残ることを2つほど伝えたいと思います。
まず最初に,島根の重点地区活動からの学びです。洲本市には人口300人程度の過疎地区があります。昭和57年度より,地域に密着した活動を展開するため地区分担を試みていましたが,それをきっかけとして,その過疎地区に対し,これまで年1〜2回の検診と数回の訪問だった活動を,毎月の健康相談や地区組織の育成,大学協力事業など,さまざまな活動に取り組んでいくようになりました。しかし当時は他の地区のことが気になり,引け目を感じ迷いながらの展開でした。
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