特集 学生の答え,ちゃんと待てますか 今こそ知りたいファシリテーションの心構え
看護教育にファシリテーションを導入しよう!
内藤 知佐子
1
1京都大学医学部附属病院総合臨床教育・研修センター
pp.1056-1062
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200377
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看護教育にファシリテーションを導入する意義
看護師には,今,実践力が求められています。教員はどのようなかかわりをすると,実践力を備えた学生を育成することができるのでしょうか。実践力とは,阿部幸恵先生によると,次の5つです。情報を的確に収集する能力,根拠に基づき,看護を判断する能力,専門職として看護技術を実践し,評価する能力,コミュニケーション/プレゼンテーションを行う能力,専門職として,生涯にわたり研鑽し続ける能力1)。
患者の状態は,つねに一定ではありません。目の前の状況を的確に判断し,適切に対応する必要があります。答えが1つではない,臨機応変な対応が求められる臨床現場では,自分の頭で考え行動しなければならないのです。電子カルテにある観察項目の順番通りに観察をするだけならば,均一の通りいっぺんのケアをするだけならば,国家資格は必要ありません。目の前にいる患者をパッと見で判断し,患者の訴えに基づき,意図的に,能動的に観察し,患者の個別性に合わせた看護ケアを提供する,そうやって自ら考えて動くのが看護師なのです。
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