特別寄稿
書くことによって養われる学生の意欲
後藤 多美子
1
,
江川 美由紀
1
1華頂看護専門学校
pp.1141-1145
発行日 2014年12月25日
Published Date 2014/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200058
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
現代学生の多くは,学習意欲はおろか学習習慣すらも身についていない者が少なくない。それゆえ,学習成果とする達成感や成功体験も少ない。ましてこれまで親にも教師にも,叱られた経験が極めて乏しいように思われる。
学校教育法にもある学習意欲とは,学習者が意思をもって自ら学習活動を求めようとする心の働きをいう。だとすれば,学生の知的欲求にどのようにかかわれば,学生の自己実現の手段としてその欲求が満たされるのか。本校に入学する学生は,達成感を得た経験も多くはなく自己効力感の乏しい傾向にある。むろん,学習成果としての達成感を得た学生も少ない。そうした学生がアイデンティティを見出し,看護師国家試験を目指すのである。学習経験の受動的な学生に対して,学習意欲をもつようにかかわっているその指導の実際を報告する。
ちなみに,本校では,まず五十音の「書き取り」から始める。これを入学前および入学式の翌日から徹底して行っているのは,「学習習慣を身につけさせる」という教育目標の具現化だからである。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.