特集 「看護教員が教える形態機能学」への道
看護教員が形態機能学を教えるための自己学習
中山 富子
1
1東京都立北多摩看護専門学校
pp.24-27
発行日 2011年1月25日
Published Date 2011/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101646
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
看護基礎教育において専門基礎分野の「人体の構造と機能」を解剖学や生理学の専門家が教授したほうがいいのか,看護の視点を取り入れて看護教員が担当した方がいいのか議論は分かれるところである1─5)。一方,学びの主体である学生からは,臨床で使うことを知りたい,形態機能,病態,看護を連結して学びたいなどの要望がある6)。
都立看護専門学校(以下,都立看学)においても検討を重ね,聖路加看護大学での「形態機能学」の取り組みを菱沼典子教授から直接伺う機会を得たのを契機に,自分たち看護教員の手で担当することに踏み切った。2009(平成21)年度からの実施に向けて,2008(平成20)年度は,聖路加看護大学の「形態機能学」の授業を聴講させていただきながら,都立看学7校の教員間での授業研究により準備を進めた。詳細は,別稿を参照されたい。
これにより,教育内容の抽出から大まかな授業計画までを検討した。また,模擬授業を行うことで形態機能学を担当するイメージはある程度ついた。
しかし,年度末になり次年度の授業分担が決まり,実際に自分が形態機能学を担当する段になると,にわかに「本当に私にできるのだろうか」という不安感が頭をもたげてきた。菱沼氏は,聖路加国際病院の病理科で解剖と組織学を勉強し,筑波大学でも系統的に学習する機会を得たうえで形態機能学を担当した7)という。無論,私たちにはそのような周到な機会が用意されているわけではない。「言うは易く,行なうは難し」とはこのことである。しかし,今さらがたがた言っても始まらない。やるしかないと自分に言い聞かせ,自己学習を始めた。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.