特集 看護学実習 教員・指導者・学生,三者の体験から
第1部 体験から学ぶ「看護学実習」をめざして
実習指導という体験
学生の自己開示と教員のかかわり
佐藤 朝子
1
1日本赤十字看護大学
pp.959-964
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100163
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はじめに
私は,精神保健看護学実習で,C君というひとりの男子学生を担当した。実習前のC君の印象というのは,年齢が30代であること,以前にどこかの大学を卒業してから本学に入りなおしているということは知っていたが,これまで直接かかわったことはなかった。男性で,しかも30代ならば,それなりのプライドもあるだろうし,私と同年代の学生を受け持つのは少々荷が重いなあ,どうなるのかなあという気持ちがあった。
実習場では,予想していた以上にC君の態度や言動に驚かされ,私自身,ずいぶんと揺さぶられた。また,C君が何を考えているのかがわからず,歯がゆい思いをすることが多かった。しかし,思い切ってかかわってみると,C君の変化は目覚しく,私にとっても印象深い実習となった。ここでは,実習でのC君と私のかかわりのプロセスを振り返りながら,実習指導について考えてみたい。
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