特集 「看護教員が教える形態機能学」への道
「看護教員が教える形態機能学」をどう構成したか―導入に向けての助走
雑賀 美智子
1
,
佐藤 治代
2
1東京都立荏原看護専門学校
2東京都福祉保健局医療政策部看護人材担当課
pp.6-8
発行日 2011年1月25日
Published Date 2011/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101642
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看護教員で「解剖生理学」が教えられるのか
私たちの「教育課程」では,これまで,看護援助を行ううえでその根拠となりうる人体の「解剖・生理」の教育は,そのほとんどを医師に任せているのが現状であった。医師は,臨床勤務の多忙ななか,看護学生のために講師として授業を担当してくれている。にもかかわらず,講師が視聴覚教材や資料など工夫してくれても,いざ患者さんの病態の理解や看護援助の計画を立案していく段階になると,学生たちは学習したはずの身体の構造や機能はすっかり忘却のかなたにいってしまっているのが現実であった。
このような現状を鑑み,学生に真の知識を身につけさせるため,看護に必要な「解剖生理学」を,医学モデルではなく看護の視点で看護教員が教授できないだろうかと,7,8年前頃から模索し始めていた。だが,これまで解剖生理学の一部分を看護師の講師に依頼することはあっても,系統立てて科目の構築までは手がつけられていなかった。もし看護教員が担当するとしても,具体的に「誰が」「何を」「どのように」「何時間」するのか,その準備時間の保証は何もなかった。さらに,果たして本当に看護教員が教えられるのだろうか,誰もが自信がなかった。
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