特集 「看護教員が教える形態機能学」への道
看護教員が形態機能学を教えるための教材や参考図書の選定
日下部 浩子
1
1東京都立板橋看護専門学校教務係
pp.14-18
発行日 2011年1月25日
Published Date 2011/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101644
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はじめに
看護師は,対象となるその人がその人らしくあるように,健康の保持・増進・回復,そして生死に関わり,また,健康にかかわる問題を解決するために系統的に働きかける。健康に関わるがゆえに,看護基礎教育においては,対象のからだの構造や機能を踏まえ,総合的に患者を理解し援助できるようになることを看護学生に求める。
東京都立看護専門学校(以下,都立看学)は,2009(平成21)年のカリキュラム改正をきっかけに,人体の構造と機能の学習内容を,看護学を学ぶ基礎としての形態機能学と設定し専門基礎分野に位置づけ,看護教員が中心となって看護の視点を取り入れ教授することとした。形態機能学を教授することは,都立看学の教員にとってはじめての試みであり,看護に必要な内容をどのように分かりやすく教授するか,明確な指針のない状況にとまどい困難を感じながら準備を進めていったのは,先の雑賀・中山論稿の通りである。
さて,形態機能学の授業においては,学生自身が自分のからだをよく知ることや,からだを透かして見たイメージをつくることが必要である1)。また,学生は,臨床場面に直結した知識を習得することや,映像や解剖見学の充実など多様な学習教材,教授法の工夫に関するニードをもっている2)。学生のニードに応えるためには,教員が教授内容を深く理解し,教授方法・教材の創意工夫をしていくことが必要となる。
本稿では,形態機能学を教授する際に用いた図書,模型,DVDなどの教材の選定と評価について述べる。
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