特別記事 野生ザルの研究一筋の伊澤紘生氏に聞く
サルに教えられた「競争」と「競争の裏側」の論理(1)
伊澤 紘生
1
,
堀 喜久子
2
1宮城教育大学環境教育実践研究センター
2神奈川県看護協会
pp.48-53
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100579
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堀 先生は,ずっとサルの研究をしてこられたわけですが,その先生が教育の場に移られた理由からお聞かせいただけますか。
伊澤 私がこの大学にいるのは,偶然といってもいいでしょう。愛知県の犬山市に,日本モンキーセンターというサルの研究博物館が1956年にできまして,その後1967年に,京都大学にサル学専門の研究所(京都大学霊長類研究所)がモンキーセンターに隣接して設立されました。モンキーセンターは財団法人で,単一寄付者が名古屋鉄道。名古屋鉄道は観光施設の1つと考えていたわけです。そして,霊長類研究所の設立にあたってお荷物の研究部門を敷地の半分とともに京都大学に委譲し,1975年からモンキーセンターはサル専門の動物園になることになって,ちょうどそのとき,私はそこの研究員だったのです。
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