Scramble Zone
大規模地震発生時における学校危機管理―新潟県中越地震における長岡赤十字看護専門学校の対応を振り返って
藤田 和子
1
,
平野 美樹子
1
1長岡赤十字看護専門学校
pp.38-40
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100577
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
平成16年10月23日午後5時56分,土曜日夕刻を迎えた中越地方を予測もしない大地震が襲った。激しい揺れで身動きがとれなかった多くの人々は,地震の揺れがおさまると同時に屋外に飛び出し,度重なる余震で大きく揺れる大地の上で,言い知れぬ恐怖と不安に襲われた。これは,いつ終わるともしれない不安な日々の始まりであった。
新潟県中越地震―川口町で震度7を記録したこの大地震は,人々の暮らしを一変させた。地震直後から家屋の倒壊・損壊そしてライフラインの途絶によって,10万人を超える人々が避難所や車などでの不自由な避難生活を強いられることとなった。
長岡赤十字看護専門学校(以下,当校と略)も,震度6の烈震に見舞われた。学校施設自体への被害はほとんどなかったが,家屋の倒壊のみでなく,道路の寸断や崖崩れの発生など,次第に明らかとなる被害の大きさに,1週間の休校を決断せざるを得なかった。
大地震発生直後からの当校の危機対応を振り返るとともに,今後必要とされる中・長期的な取り組みについて述べてみたい。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.