特集 看護新時代
競争激化時代の病院と看護管理
髙嶋 妙子
1
1前:聖隷浜松病院
pp.333-336
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902671
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「病院が潰れる」という言葉を耳にするようになって久しくなるが,この間にこの言葉の背景が大きく変化したことを実感している.少なくとも私の認識は大きく変わった.はじめの頃は自分の病院には無関係のことと思っていた.潰れる原因が,杜撰な経営計画か悪徳医療にあると考えたからである.
診療報酬改訂のたびに,「氷河期に向かう医療経営」と盛んに取り沙汰されるのを聞きながらも最近までは,「良心的でむだのない医療」を行なっている病院が潰れるはずがないと信じていた.長い間当院は運営方針として,「患者中心に,よりよい医療をやさしく安全に」と「ムリ・ムダ・ムラの排除」を掲げ,これを合い言葉に職員たちは実によく働いたからである.その実践をとおして当院には,「経済を考えない質は寝言であり,質を考えない経済は罪悪である」という名言が思想として根付いた.
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