焦点
看護師国家試験は競争試験ではない
内藤 恭久
1
1浜松医科大学第一病理学講座
pp.373-375
発行日 2002年5月25日
Published Date 2002/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903200
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
平成14年2月24日,第91回看護師国家試験が行われた.試験場から戻った看護学生は異口同音に,今年の国試問題は難問が多く,学校で習っていない問題も沢山あり,これから自分は看護師としてやっていけるのだろうかという不安を母校の教官に訴えたという.時同じくして,各所から抗議声明文が厚生労働省の看護課や日本看護協会などに提出され,それは全国的な傾向であったと,後になって漏れ聞くこととなった.ただ,その実態は定かではない.
さて,こうしたことは看護師国家試験が始まって以来の歓迎されざる珍事で,それは本誌前号を参照していただければ一目瞭然である1).学生が持ち帰った試験問題を見たところ,幾つかの点でこれはと思う問題に遭遇したのでコメントし,現状的にも将来的にも必要と思われる国家試験問題のあり方について若干の私案を述べたい.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.