連載 私達を育ててくれた事例・2
看護の対象と援助の考え方が生まれた経過(1)
久常 節子
1
1県立福井短期大学看護科
pp.283-288
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205712
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第1回の"保健婦活動の手がかりを求める行動が職場づくりに反映された時期"では,事例にとってどんな援助が必要かという観点より,保健婦間の思わくや遠慮が優先し,評価の対象も看護の内容でなく,件数という量であり,場当たり的な,思いつき的援助であっても許された関係から,一つの事例に対して保健婦集団としての責任の持ち方を考え,その具体的方策として,援助の内容が一つ,一つ全体の中で検討・評価される場,反省会をつくっていき,共通の看護観を求めて時間外に勉強会が始まるまでを報告した。
今回では"看護の対象と援助の考え方"が知的レベルでの了解事項としてではなく,保健婦自身の実感に基づいた体験的理解として生まれてきた過程を述べたい。
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