マイ・オピニオン
教室と臨床実習の指導は同一教員で展開を
阪本 恵子
1
1新潟大学医療技術短期大学部看護学科
pp.1097
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918253
- 有料閲覧
- 文献概要
私は看護教育に携わって8年目である.最初の職場は4, 5名の職員で,臨床実習指導は病院側に任せ,教員はパトロールのみであった.その意義がいったいどこにあるのだろう.私には任せっぱなしに対する義理のようにさえみえた.駆け出しの私にとって挫折感だけが残った.
次に求めた職場は,人員も多く,効果をあげるために,教室と臨床での指導を,同一専任教員が系統的・継続的に行うという方針であり,正直いって救われたが,パトロール的指導時代以上に心身のストレスも大きかった.しかし,それを乗り超えられるものがあり,理由は,1)カリキュラム全体の中で各専任教員の担当部分がどのような位置,役割を持つかを明らかにできる 2)1)の役割を果たすために,指導内容の不必要な重複を避け,常にカリキュラム全体と部分との関連性を明確にしながら指導できる 3)教室・臨床のいずれの指導が学生をより効果的に学習目標に到達させるか,教育内容・方法の細かな選択ができる(高木・阪本:看護教育,16,729,1975)など,この方法の利点が満足感を与えたからである.教育の醍醐味は臨床実習指導の中にある.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.