連載 母子栄養1ページレッスン
脂質:その食べ方(2)—加工食品
西村 薫子
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1自治医科大学附属病院栄養部室
pp.1089
発行日 1985年12月25日
Published Date 1985/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206786
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油や食品中の脂肪は酸化され,劣化していくことを前号で述べた。劣化した食品は,味が悪くなるだけでなく毒性をもつ場合もある。このような食品の劣化は,大部分,空気中の酸素分子による脂肪の酸化に基づくものである。この酸化は一般に自動酸化と呼ばれ,ラジカル連鎖反応によって進行する。温度が高いほど,また,光や金属イオンにより連鎖反応が速く起こる。言い換えると,脂肪性食品の使用・保存管理上,低温保存,光・金属の遮断が要求される。
最近,若い女性の間で,体重管理を目的としたエネルギーコントロール(ダイエット)が流行している。そのため,食品素材(卵・牛乳・肉・バター・油など)の脂肪含量に異常なまでの関心を示す。しかし,その一方で,最近ますます利用率の高まってきた加工食品や菓子,スナック類の脂肪の量や質についてはまだ注意が及んでいないように思う。
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