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知らずに食べているうちに—食品添加物のはなし
pp.39
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203559
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私たちは平均して1日に数十種類もの化学物質を,食品添加物として食べているといわれる.むろん食品衛生法の使用基準に合格する使い方をしているのである.天然の果汁だと思って飲んでいる人にはガッカリだが,もしこれが天然果汁100%だったら,とても長期保存には耐えられないし,値段も高価なものになってしまうだろう.
工場で加工された天然果汁は,加工中ににおいも落ちるし,オレンジ色の色素ベータカロチンは酸化して変容し,濃縮工程中にとても食欲をさそわないほどきたなくなる.商品として市場に出すためには,やはり色や味をととのえ,においを補って提供したほうが消費者にとっても好ましく,喜ばれるのではないか.もとはといえば,食品添加物に対する要求もこうしたことから起こってきたものだ.
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