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第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
生活習慣・食習慣とがん
赤身肉・加工肉・超加工食品の過剰摂取と発がんリスク
Red meat, processed meat, and ultra-processed foods and cancer
脇 昌子
1
Masako WAKI
1
1内閣府食品安全委員会委員
キーワード:
赤身肉
,
加工肉
,
超加工食品(UPF)
,
がんリスク
,
大腸がん
Keyword:
赤身肉
,
加工肉
,
超加工食品(UPF)
,
がんリスク
,
大腸がん
pp.837-843
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610837
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日本を含め広く,赤身肉,加工肉および超加工食品(UPF)の摂取量が増している.いずれも肥満,心血管病,2型糖尿病との関連が強く,これらと共通した基盤として,酸化ストレス,高インスリン血症,腸内細菌叢の乱れなどがあり,発がんのリスク増大にも関連している.赤身肉(牛肉,豚肉,羊肉)は,2015年に国際がん研究機関(IARC)によりそれぞれ発がん性が高いものとされた.日本人での前向きコホート研究では,牛肉や豚肉,加工肉の摂取量や摂取頻度が多いと結腸がんの発症リスクが約10~30%高くなる集団があった.しかし,現状以下に摂取制限すべきかについては,摂取量の多い米国においてすらいまだ議論がある.一方,超加工食品は工業的に生産される食品を指し,栄養学的に捉えられた食品群ではない.しかし,その摂取量が多いと,肥満や腸管での慢性炎症を生じ,全がんリスクも増加すると報告されている.日本においても超加工食品の摂取量は少なくない.赤身肉,加工肉を過剰摂取せず,また超加工食品の割合を多くしすぎないことは,がんリスクを上げないことと関連するであろう.
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