連載 母子栄養1ページレッスン
脂質:その食べ方(1)
西村 薫子
1
1自治医科大学附属病院栄養部室
pp.1002
発行日 1985年11月25日
Published Date 1985/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206768
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マーケッティング・コンサルタントの黒田節子さんは,日本の食文化の変革を語る上で見落とせない3点があると指摘している。第1は主婦業や家事に対する賤業視(就業や趣味や教養を身につけることに比べて家事は価値が低いとする考え方),第2は家事技術の家庭内世代間伝承システムの崩壊,第3は女性の料理技術力の低下である。
祖母や母から継承した料理は年代が下るにつれて減り,特に20代と30代でそれが目立つというデータが農水省・昭和58年度食料品消費モニター定期調査報告にみられる。今後,「食べること」を中心とした家事労働の中身が大きく変化していくことが予想されるなかで,家庭料理の世代間伝承率の低下は食生活上のリスクを暗示するものかも知れない。
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