連載 リハビリテーション医療に必要な薬物治療・第9回
認知症
吉山 顕次
1
,
池田 学
1
Kenji Yoshiyama
1
,
Manabu Ikeda
1
1大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
キーワード:
認知障害
,
BPSD
Keyword:
認知障害
,
BPSD
pp.913-917
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201752
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2017年10月1日の時点で,わが国の65歳以上人口の総人口に占める割合(高齢化率)は27.7%になるとの発表があり,高齢化率は上昇し続けている状況である.そして,2012年の時点で,65歳以上の高齢者の15.0%が認知症で,2025年にはこれが約20%になるとの推計もある.このように認知症の高齢者は増加傾向にあり,当然,リハビリテーションを受ける認知症高齢者数も増加し,リハビリテーションを実施するうえで,認知症に接する機会が年々増えていることが推定される.
2014年度に策定された認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)は7つの柱から成るが,そのうち,「認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」という柱において,「早期診断・早期対応を軸として,行動・心理症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)や身体合併症等が見られた場合にも,医療機関・介護施設等での対応が固定化されないように,退院・退所後もそのときの容態にもっともふさわしい場所で適切なサービスが提供される循環型の仕組みを構築します」1)とある.この適切なサービスにはリハビリテーションも含まれる.また「認知症の予防法,診断法,リハビリテーションモデル,介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進」という柱においても,認知症に対するリハビリテーションが言及されている1).
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