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はじめに
2018年6月に世界保健機関(World Health Organization;WHO)が国際疾病分類(International Classification of Diseases and Related Health Problems;ICD)の改定を公表し,ICD-11に新たな生活機能分類を示すⅤ章生活機能評価に関する補助セクション(Ⅴ supplementary section for functioning assessment,以下,Ⅴ章)が導入された.Ⅴ章は,WHO Disability Assessment Schedule 2.0(WHO-DAS2.0),Brief Model Disability Survey(MDS),ICFコアセットと付録9の要素を含むリハビリテーションセットからなるGeneric functioning domainsの3つから構成されており1),これらの3つのツールは国際生活機能分類(International Classification of Functioning,Disability and Health;ICF)コードに由来している.これは,ICFを基準とした生活機能を統計的に共通した物差しで疾患の生活機能を評価することを期待されていると考えられる.日常生活動作の評価や診断の補助として用いられる評価尺度もまた共通の物差しとして評価を行うのに用いられており,世界中にかなりの数が存在する.通常,評価尺度は複数の下位尺度の合計点等を用いて,妥当性と信頼性を確保した評価点にて評価されている.本稿は,ICFの視点からさまざまな評価尺度の構造を,ICFコードに基づいて分析を行い,今後のICF利活用の可能性について述べる.
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