特集 疾患・治療概念の最近の変化
【診断・検査】
認知症
宇高 不可思
1
1住友病院神経内科
キーワード:
アルツハイマー病
,
BPSD
,
ケア
,
MCI
,
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
Keyword:
アルツハイマー病
,
BPSD
,
ケア
,
MCI
,
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
pp.664-665
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101190
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だれもが関わらずにはいられない認知症
認知症(痴呆症)とは,一定水準にまで発達した知能が後天的疾患により障害され,生活に支障をきたすようになった状態である.原因疾患のうちで最も多いのはアルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)と脳血管性認知症の二者であり,レビー小体型認知症,前頭側頭型認知症などがそれに次ぐ.治療可能なものもあるが,大部分は緩徐進行性であり,周辺症状やADLの低下をきたすため,周辺症状の緩和,ADLを少しでも長く維持すること,介護負担の軽減が主な課題となる.
その認知症がわが国で急増している.年齢別の有病率は,60歳代で約1%,70歳代で5%,80歳代で20%,85歳以上では30%以上もある.現在の患者数は約180万人,有病率は65歳以上の8~10%程度といわれるが,2020年頃には300万人を超えると予測されている.認知症は,もはやメタボリックシンドロームなどと同様に,あらゆる医療人が避けて通れない疾患となった.
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