Japanese
English
研究と報告
脳卒中片麻痺患者の立ち上がり動作能力と身体機能ならびにADLとの関係
Relation between sit-to-stand ability, physical function, and activities of daily living in hemiparetic stroke patients.
高橋 純平
1
,
神先 秀人
2
Junpei Takahashi
1
,
Hideto Kanzaki
2
1東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
2山形県立保健医療大学保健医療学部理学療法学科
1Department of Rehabilitation, Faculty of Medical Science and Welfare, Tohoku Bunka Gakuen University
2Department of Physical Therapy, Yamagata Prefectural University of Health Sciences
キーワード:
立ち上がり動作能力
,
脳卒中片麻痺
,
身体機能
,
日常生活活動
Keyword:
立ち上がり動作能力
,
脳卒中片麻痺
,
身体機能
,
日常生活活動
pp.55-62
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109992
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:〔目的〕脳卒中片麻痺患者が移動や移乗動作を自立して行うためには,立ち上がり動作の獲得が重要課題となる.本研究では,臨床場面でみられる3種の椅子からの立ち上がり動作,① 上肢による支持のない方法(上肢支持なし),② 上肢で座面を押して立ち上がる方法(push動作),③ 手すりを引いて立ち上がる方法(pull動作)を取り上げ,各動作の難易度判定や動作獲得に必要な身体機能,移動能力との関連性を明らかにすることを目的とした.〔方法〕片麻痺患者27名を対象に各立ち上がり動作の可否から群分けを行った.機能評価として非麻痺側上下肢・体幹筋力,Brunstrom-stage,Stroke Impairment Assessment Set(SIAS),Berg Balance Scale(BBS)を,移動能力の評価として歩行速度,functional independence measure(FIM)を測定し,群間比較した.〔結果〕立ち上がり動作の難易度は,上肢支持なし,push動作,pull動作の順に高かった.非麻痺側筋力に差はみられなかったが,麻痺側機能は上肢支持なし可能群が他の2群より高かった.バランス能力は,上肢支持なし可能群,push群,pull群の順に高い項目が多く,push群とpull群間では,静的立位バランス能力に差が認められた.FIMでは上肢支持なし可能群が高い項目が多かった.〔結語〕上肢支持なしとpush動作では動的立位バランス能力や麻痺側機能の差が,push動作とpull動作では静的立位バランス能力の差が主に関与することが示唆された.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.