原著
脳卒中片麻痺患者における肩甲骨回旋角度と肩関節亜脱臼の関係
小林 英司
1
,
妹尾 忠久
2
,
吉尾 雅春
3
Kobayashi Eiji
1
1医療法人札幌山の上病院リハビリテーション部
2喬成会花川病院
3札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
キーワード:
脳卒中片麻痺
,
肩甲骨回旋角度
,
肩関節亜脱臼
Keyword:
脳卒中片麻痺
,
肩甲骨回旋角度
,
肩関節亜脱臼
pp.193-197
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100040
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脳卒中片麻痺患者における肩関節亜脱臼の原因についての報告は数多い.Basmajian1)やCailliet2)は,亜脱臼の防止には,棘上筋や三角筋後部線維の適切な収縮能力に加え,肩甲骨関節窩の傾斜角度が重要な役割を果たすと指摘している.彼らによれば,関節窩が上向きの傾斜を作ることで肩甲上腕関節の関節包や烏口上腕靱帯などの張力が助けられ,上腕骨頭が下方へ滑り落ちることを防いでいるとされている.
Cailliet2)やDavies3)は,片麻痺患者においては肩甲骨に付着する筋群の筋緊張異常により麻痺側肩甲骨は下方回旋かつ下制された肢位をとると述べ,そのことが肩関節亜脱臼の原因になるとしている.
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