頸髄損傷者（運動麻痺―完全型）に関する総合せき損センター式上肢残存機能分類表に基づく日常生活動作の自立の可能性について

Possibility of Independence in ADL for the Patients of Complete Cervical Spinal Cord Injuries-An Evaluation based on Iizuka Spinal Cord Injuries Centers Classification Scale of Residual Arm Functions.

はじめに

　前回の論文（1991年8月号）では，頸髄損傷者（運動麻痺―完全型）の残存レベルの判断基準として当センターで作成した上肢残存機能分類表⁶⁾を報告した（表1）．今回は頸髄損傷者の日常生活動作の評価方法としてGresham（1980）が提唱したQuadriplegia Index of Function（QIF）⁸⁾と中川（大阪労災病院）ら¹¹⁾の修正案を参考にして，頸髄損傷者（運動麻痺―完全型）の日常生活動作表の作成を試みた．また，この日常生活動作表を使用し，受傷後1年半位の頸髄損傷者（運動麻痺―完全型）の総合せき損センター式上肢残存機能分類表¹⁾に基づく自立の可能性についてまとめたので報告する．