◆研究と報告
高位頸髄損傷(C5B)者の日常生活動作自立と就労の可能性
土嶋 政宏
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.16-25
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ⅰ.はじめに
これまでに,頸髄損傷者の残存機能における日常生活動作の能力については,Longや矢部らの論文などにて,すでに定説化されたかのごとく述べられているが,いずれも受傷後の経過が短期間であるものが多く,長期間における日常生活動作の機能変化や日々の訓練による可能性を追求したものは少ない。最近では特に,高位損傷レベル者へのADLアプローチに対し環境コントロール装置(ECS)や動力リフトのような電子・機械工学面への依存が中心となってきており,残存機能を生かしていく上においても今後の日常生活動作自立訓練に対して適切で明確な処方を必要とする段階にきている。そこで,受傷後6ケ月を経過した残存機能(C5B)レベル者に対し日常生活動作機能向上訓練を自助具の開発やアプローチ方法の改良を行ってきた結果,これまでこの損傷レベルでは自立が不可能であるとされていたいくつかの項目に対して実用化することができたので報告する。
Copyright © 1983, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.