Japanese
English
実践講座 リハビリテーション処方実例集(4)
脳性麻痺を含む小児疾患
The Prescription of Medical Rehalilitation: The Cases of Cerebral Palsy and Other Children's Disorders.
福田 道隆
1
,
岩崎 光茂
2
,
近藤 和泉
1
,
岩田 学
1
,
工藤 祐喜
2
,
石山 隆
1
,
田澤 浩司
1
Michitaka Fukuda
1
,
Mitsushige Iwasaki
2
,
Izumi Kondo
1
,
Manabu Iwata
1
,
Yuki Kudo
2
,
Takashi Ishiyama
1
,
Koji Tazawa
1
1弘前大学医学部脳神経疾患研究施設リハビリテーション部門
2はまなす学園
1Department of Rehabilitation Medicine, Institute of Neurological Diseases, Hirosaki University School of Medicine
2Hamanasu Gakuen
キーワード:
リハビリテーション処方
,
脳性麻痺
,
小児疾患
Keyword:
リハビリテーション処方
,
脳性麻痺
,
小児疾患
pp.1013-1017
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106930
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はじめに
処方には,調剤などの様式化されたそのもの(formula),使用法などの指示も含めた意味を持つもの(prescription)の2つの用語があり,リハビリテーション処方はformula(薬の処方)のように簡単でない.リハビリテーション処方には障害の原因の診断,重症度の評価,予後の診断,目標の設定,適応の評価がその前提として存在する.的確な処方をせず,単に患者を関連職種のスタッフへまわすのは無責任である.
リハビリテーション処方に含まれる内容として,新美1)は①医師が自ら行うのと同じ程度の医療サービスが供給されるよう可能な限り具体的に指示がなされること,②指示が確実に実行されるための措置を講ずること,③禁忌とされる事項の明示が必要であること,を述べている.Okamotoは,医師は処方をコミュニケーションの一つの形として理解すべきであるとし,Martinは理学療法・作業療法が効果を発揮するためには,詳しく,十分な具体的ディテールを含んだ処方が不可欠であると述べている2).上田2)は処方内容として実施の安全性の判断,心要性の判断,専門牲に立った判断,チーム・リーダーとしての判断と指示,などを述べている.
他方,最近の脳性麻痺(以下,CPと略)の特徴として,鈴木3)は①軽症例が目だつ反面,脳奇形や脳形成不全を伴う重症例も増えていること,②未確定診断のまま,4~6か月頃に要治療児として訓練が始められて,その後の経過中でCPの確認を得ていること,③運動麻痺などが明らかにならないうちからでも運動発達が遅れること,④予後を発達途中で予測することは極めて困難であること,などを強調している.
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