Japanese
English
特集 リハビリテーションにおける電気生理学
体性感覚誘発電位
A Review of the Somatosensory Evoked Potential.
近藤 和泉
1
,
福田 道隆
1
,
岩田 学
2
,
中村 正直
3
Izumi Kondou
1
,
Michitaka Fukuda
1
,
Manabu Iwata
2
,
Masanao Nakamura
3
1弘前大学医学部附属脳神経疾患研究施設リハビリテーション部門
2弘前大学医療技術短期大学部理学療法学科
3青森労災病院
1Department of Rehabilitation, Institute of Neurological disease, Hirosaki University School of Medicine
2School of Allied Medical Sciences, Hirosaki University
3Aomori Rousai Hospital
キーワード:
体性感覚誘発電位
,
脳血管障害
,
感覚障害
Keyword:
体性感覚誘発電位
,
脳血管障害
,
感覚障害
pp.401-406
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108099
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はじめに
体性感覚誘発電位(Somatosensory evoked potential;以下,SEP)などの電気生理学的な検査は,関係する神経組織の生理学的な活動を反映するとされ,主観的な情報に頼ることが多いリハビリテーション医学の臨床の場で,解剖学的な病態を明らかにする画像検査とともに,量的,客観的な情報を提供することを期待されてきた1,2).特に失語症患者で,あるいは痴呆または意識障害がある場合,感覚障害の有無を正確に知るのは困難であり,SEPは客観的指標として果たす役割が大きいと思われる.
多数のSEPに関する報告が毎年なされており,その知見も膨大な量になっている.ここ数年の間の最大のトピックスは正中神経刺激による初期皮質成分の解明がなされたことである3).発生源の解明はSEP検査の結果の解釈に大きな影響を与えると考えられる.
リハビリテーション医学領域において感覚障害の評価のためにSEPを利用するのは,末梢よりも中枢神経疾患のほうが多く,特に脳血管障害患者の予後推定に関わる研究が多くなされている.ここではわれわれが現在行っている研究を中心として,脳血管障害における感覚障害の評価および予後推定におけるSEPの有用性,さらに検査上の留意点,波形の異常を解釈するうえでの問題点について述べる.
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