Japanese
English
総説
脳性麻痺の手術療法―フェノールブロックを含む
Surgical treatment and phenol block of cerebral palsy.
江口 壽榮夫
1
Sueo Eguchi
1
1高知県立子鹿園
1Kojika-en, Hospital for the Crippled Children in Kochi.
キーワード:
脳性麻痺
,
病態
,
運動の特殊性
,
整形外科的手術
,
フェノールブロック
Keyword:
脳性麻痺
,
病態
,
運動の特殊性
,
整形外科的手術
,
フェノールブロック
pp.1007-1016
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103029
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【抄録】脳性麻痺(以下CPと略す)は,成長過程の脳の障害で起り,四肢の運動麻痺の他に,言語障害,精神知能発達遅延,癲癇,知能障害等を伴うこともあるので,総合的な把渥をして手術をきめる必要があり,局所の機能的状態のみからの判断が優先するとは限らない.手術対象となるのは痙直型に多く,しかも下肢に多いが,一般的に,全身のパターン運動の中での下肢・上肢の機能が分離されればされるほど予後がよく,また手術の適応がきめやすくなる.CPの手術を考える時に,下肢の機能は支持性と歩行に重点がおかれるが,上肢の機能は手指の障害の状態により左右される.手術は痙縮・拘縮により起ってくる変形に対するものが多いが,できれば,拘縮・変形を予防することに重点をおき,機能訓練と平行して手術適応を考えるべきである.フェノールブロックは機能訓練と密着して行なえる治療であり,手術と併用して行なってもよく,CPに対する有力な治療手段と考えている.
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