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講座 評価法(4)
小児中枢性麻痺の評価
Evaluation of Infant with High Risk and Cerebral Palsy
福田 道隆
1
Michitaka Fukuda
1
1弘前大学医学部付属脳卒中研究施設リハビリテーション部門
1Rehabilitation Medicine, Institute of Cerebrovascular Disease, Hirosaki University School of Medicine.
キーワード:
脳性麻痺
,
原始反射
Keyword:
脳性麻痺
,
原始反射
pp.287-294
発行日 1989年4月10日
Published Date 1989/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106041
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はじめに
評価には障害の有無とその重症度を判別し,予後の推定,目標の設定,プログラムの選択等に必要な情報を得ること(障害分析型テスト),プログラムの作成に必要な情報を得ること(治療指向型テスト),治療効果の判定を行うための情報を得ること(効果判定型テスト)がある1).これらの評価内容を考慮すれば小児中枢性麻痺(主として脳性麻痺,ハイ・リスク・ベビー)の評価には①リスクファクターと治療要否判定の評価,②運動行動発達の評価,③脳性麻痺の診断と重症度の評価,④予後予測の評価,⑤重複障害の評価について,などが必要であり,これらについて弘前大学リハビリテーション部の症例の調査結果と全国肢体不自由児施設長へのアンケート調査の結果および文献から考察する.
近年,周産期医療の向上に伴って呼吸障害に起因する後遺症や核黄疸によるアテトーゼ型脳性麻痺が減少し,早産児に多くみられた痙性両麻痺も急速に減少した反面,出生前因子が関係したものや,重い危険因子が重なりあったケースが残り,このため重度・重複障害児の比率が高まってきたと言われている.児玉は,早期診断や訓練での問題として,姿勢反射などでスクリーニングする方法は確かに名案ではあるが,どのような脳性麻痺になっていくのか,どのような問題を抱えていくのか,手術や装具の適応があるのか,などの質的面を明らかにすべきであるとしている2).
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