Japanese
English
特集 歩行補助具の適応と訓練
脳原性運動障害について
Walkers and Crutches for Children with Cerebral Palsy.
近藤 和泉
1
,
福田 道隆
2
,
岩田 学
2
,
岩崎 光茂
3
Izumi Kondo
1
,
Michitaka Fukuda
2
,
Manabu Iwata
2
,
Mitsushige Iwasaki
3
1弘前大学医療技術短期大学部理学療法学科
2弘前大学脳神経疾患研究施設リハビリテーション部門
3青森県立はまなす学園
1Department of Physical Therapy, School of Allied Medical Sciences, Hirosaki University
2Department of Rehabilitation Medicine, Institute of Neurologial Diseases, Hirosaki University
3Hamanasu-Gakuen, Aomori Prefectural Institue for Handicapped Children
キーワード:
歩行器
,
杖
,
脳性麻痺児
Keyword:
歩行器
,
杖
,
脳性麻痺児
pp.471-476
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107375
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はじめに
脳原性運動障害児の治療的リハビリテーションにおいて,歩行補助具としてしばしば歩行器や杖が用いられる.適切に処方され,それが適合した場台,歩行器や杖が脳原性運動障害児の移動能力の獲得を助け,歩容の改善をもたらすことが期待できるが1),そうでない場合,異常パターンを強め,関節拘縮を引き起こす可能性を持っている.本稿では,主に脳性麻痺児を中心とし,歩行補助具として杖および歩行器の適応,使用に際する注意点などを考えてみたいと思う.
各種の脳性麻痺児のなかで,杖の適応があるものは痙性麻痺型のものが多いが,痙性片麻痺児は脳卒中による成人の片麻痺と異なり,下肢装具以外の歩行補助具の適応は少なく,痙性両麻痺児かまたは痙性四肢麻痺児で,上肢の機能が比較的良いものに歩行器および杖の適応がある.また,下肢の障害に比べて上肢,体幹の障害が強いアテトーゼ型の子供も後記するような場合を除いて適応が少ないようである.
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