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特集 子供のリハビリテーション
Ⅱ.脳性麻痺のリハビリテーション
脳性麻痺の早期治療の現状とその問題点
Some Problems in the Early Treatment of Cerebral Palsy.
児玉 和夫
1
Kazuo Kodama
1
1心身障害児総合医療療育センター
1The National Rehabilitation Center for Disabled Children.
キーワード:
脳性麻痺
,
早期治療
Keyword:
脳性麻痺
,
早期治療
pp.731-734
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106600
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はじめに
脳性麻痺の早期治療の問題点については,これまで本誌の上でも発表させていただいた1).
その要旨は①脳性麻痺の症状が出ていれば,早期に訓練を開始しても正常化が得られたとはいえない.②脳性麻痺の診断は乳児期初期にはまだかなりの困難性があり,中枢性協調障害とされた児の多くは本来正常発達をしていくグループである.③脳性麻痺の発生率は急減してきたが,その大部分は周産期医療の向上による.④脳性麻痺の障害内容を見ると周産期障害を主因とする典型グループが減り,多因子が関係した重度重複グループの比率が伸びてきている.⑤このため脳性麻痺の早期治療は単に運動面からのアプローチではなく,食事栄養指導,呼吸管理,感覚訓練なども含め総合指導となる必要があり,特に母子関係の安定をはかり育児に自信を持ってもらう作業が大事になってくる.⑥このことを含め,訓練は日常生活上での苦痛になるようであってはならない.……といったものである.
今回はこうした前提に多少触れながら再度,早期診断・治療について私の見解を概説したい.
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