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特集 子供のリハビリテーション
Ⅱ.脳性麻痺のリハビリテーション
脳性麻痺とは―現状の診断とその問題点
What is Cerebral Palsy? Problems on Its Diagnosis.
高松 鶴吉
1
Tsurukichi Takamatsu
1
1北九州市立総合療育センター
1Kitakyushu City Sogo Ryoiku Center. (Kitakyushu Center of Developmental Medicine and Education.)
キーワード:
脳性麻痺
,
診断
Keyword:
脳性麻痺
,
診断
pp.711-714
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106596
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はじめに
先ず現在わが国で用いられている脳性麻痺の定義を述べる.「脳性麻痺とは受胎から新生児(生後4週以内)までの間に生じた脳の非進行性病変にもとづく,永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である.進行性疾患や一過性の運動障害,または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する」1)
この定義が生れてからおよそ20年を経過した.この間,わが国では周産期医療が進み,脳性麻痺の世界でも早期治療あるいは早期療育というテーマが現実化し,また断層撮影などの工夫によって,生体脳の分析なども少しずつ可能になってきている.
今までの脳性麻痺の定義は今日の実情にそぐわなくなってきている.そのように語る人もおり,私もそれなりにかつて疑問を述べたことがある2).雑薄な議論に終わることはお許しいただくとして,脳性麻痺の現状の診断とその問題点というテーマなので,概念,定義,診断などに関する私見を述べたいと思う.
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