Japanese
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特集 脳性麻痺者の生活と労働
脳性麻痺者の雇用と就労―一般雇用の現状と問題点
Employment and Work of Cerebral Palsy Persons: The Present Condition and Problems of Compentitive Employment.
御手洗 恵子
1
Keiko Mitarai
1
1岡山障害者職業センター
1Okayama Vocational Center for the Disabled
キーワード:
脳性麻痺
,
雇用
,
就労
Keyword:
脳性麻痺
,
雇用
,
就労
pp.967-971
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106920
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はじめに
国際障害者年を契機に障害者に対する社会の関心・理解も高まり,好調な経済,あるいは最近の人手不足の中で,障害者の就労は順調に伸びている.労働省職業安定局の報告によると,平成2年6月1日現在の全国の障害者雇用率は1.32%(前年と同じ),岡山県の場合1.91%(前年は1.92%)となっている.
しかし,雇用率の伸びを喜んでばかりはいられない状況が出現し始めているようであり,今後はその問題解決を図らなければ障害者の雇用に行きづまりを生じることになるであろう.
すなわち,地域障害者職業センターへの来所者の8割前後は精神薄弱者であり,当初職業センターが対象とした,いわゆる身体障害者の相談は減少,しかも重度化傾向の続く中で,脳性麻痺者の来所はほとんどなくなってしまっている.つまり,脳性麻痺者サイドからすれば,センターに行かなくても簡単に就職できるし,センターに相談に行かなければならないような人は極度に重度(機能的にも知能的にも)であり,相談に行っても到底職に就く見込みがない,といった状況である.重度脳性麻痺者の就労については数年前から世界的にも問題となってきていたが,ここに来てそれが如実に出現している.
岡山障害者職業センターの過去10年間の脳性麻痺者のセンター利用状況,および熊本障害者職業センターにおける昭和60年4月から平成元年3月までの間に来所した障害者の追跡調査の結果を報告し,就労指導上の問題点を検討し,今後の対策を考えてみたいと思う.
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