特集 高次脳機能障害(その2)
Disconnexion Syndrome(離断症候群)
杉下 守弘
1
Morihiro Sugishita
1
1東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究室
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Intitute for Neurosciences.
pp.703-707
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105021
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はじめに
disconnexion syndrome(離断症候群)という名称は,1960年代から使用され,失語,失行,失認などの高次脳機能障害の研究領域では,重要な術語となっている.最近では,それだけに止まらず,精神分裂病や自閉症などにも関連づけられて論ぜられる.離断症候群の概念は19世紀後半のWernickeの著作(1874)にまでさかのぼることができるが,離断症候群という術語は,1965年のGeschwindの論文“Discnnexion syndromes in animals and man”に由来する.離断症候群という術語は,1920年代~1960年頃には疑問視されるむきがあった.しかし,その概念の妥当性は,1950年代末にはじまるSperryらの分離脳の研究(Sperry,1982)やGeschwindの臨床例の研究によって再復興し確立された(杉下,1979).次にdisconnexion syndromeについて,その定義,特徴について述べてみたい.
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