Japanese
English
特集 高次脳機能障害(その2)
Motor Impersistence
Motor Impersistence: Its Significance in Rehabilitation.
平井 俊策
1
,
小松 美鳥
1
Shunsaku Hirai
1
,
Midori Komatsu
1
1群馬大学リハビリ研究施設神経内科
1Institute of Neurology and Rehabilitation, Gumma University School of Medicine.
キーワード:
motor impersistence
,
脳血管障害
,
劣位半球症状
Keyword:
motor impersistence
,
脳血管障害
,
劣位半球症状
pp.697-701
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105020
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はじめに
1965年にFisher4)は,目を閉じる,口を開く,舌を出すなどの動作を行わせると,動作を行うことはできるが,その状態を続けていることができず,また,これら動作の2つ以上を同時にさせると,そのどちらかの動作が中断してしまうという奇妙な現象をみつけ,これを動作の保持が困難な状態という意味でmotor impersistenceと名づけた.Fisherの発表とは独立に,その前年Berlin2)が強制開眼現象(compulsive eye opening phenomen)として発表した徴候も,内容的には同じであると考えられる.この状態は,その後余り注意が払われず報告も少なかったが,われわれは,これが劣位半球症状として大切なものの1つで,かなり頻度の高いものであること,責任病巣として劣位半球のarea6,8を含む皮質ないし,これと密接に連絡する皮質下白質病巣が考えられること5),リハビリテーション上にも大きな意義があること6,7)などを指摘してきた.さらに最近CT所見と対比して再検討してみた10)ので,これらの所見をまとめて以下述べてみたい.
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