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callosal disconnexion syndromeは,大脳白質の症候学の一部をなしている。大脳半球において皮質直下の表層の白質は,機能を異にする種々の線維が互いに入り組んで存在し,未分化の白質(undifferentiated whitematter)と呼ばれるが,白質深部になるに従い,機能を同じくする線維同志がまとまつた線維束をなすようになり,分化した白質(differentiated white matter)を形成するようになる(第1表)24)。分化した白質内には投射線維(projection fibers),連合線維(association fibers)および交連線維(commissural fibers)が区別されるが,この中で投射線維の症候学は,比較的良く知られている。すなわち,内包損傷による片麻痺,視放線の病変による同名半盲などは,投射線維の機能局在を明らかにする古典的な事実である。これに対し,連合線維の機能に関しては,optokinetic nystagmusやoptic ataxiaなどのvisual-motor co-ordination系におけるoccipito-frontalfasciculusの問題20,60)や,arcuate fasciculusの言語に関する機能32)などがとりあげられてはいるが,連合線維のみに限局する病変は得られにくいため,症候学的な解析はしばしば困難である。これに対し,交連線維の中の脳梁は,分化した白質の中でも,もつとも独立した構造物であり,比較的限局した病変が得られやすいために,大脳白質の機能的局在を論ずる際のモデルとして扱いやすい特徴を有している。
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